餞別の由来とは

職場で退職する人、移動する人などに渡したり、引っ越したり旅行する友人にも渡す金品を餞別と言います。
「餞」は「はなむけ」と読むことからもわかるように、もともと旅立つ相手に贈るものです。
今とは違って昔の旅は交通も不便で危険も伴うため、出発前にはお祓いをして身を清めたり、親類や隣近所が集まり別れの宴席なども開かれたそうです。
馬の鼻を目的地方向に向けて道中の安全を祈ったとされ、この「鼻向け」の慣習が「はなむけ」の語源であり、餞別の由来とされています。

現代では旅といえば楽しいもの、交通も発達し世界中どこへでも行ける時代です。
そのため旅立つ人に餞別を贈ることはほとんどなくなりましたが、同じ意味で転勤や退職、引っ越しをされる人に感謝と労いの意味もこめて「餞別」を贈るのが一般的です。

餞別・チップは分相応の金額を渡す

餞別やチップの金額に悩むという方は多いでしょう。
餞別の場合は関係性や付き合いの長さなどによって変わりますが、3,000~10,000円くらいが一般的な相場です。
職場での転職・退職で餞別を渡す場合、部署でまとめるというケースも多いですが、その場合の相場は1人あたり500~3,000円、定年退職の場合は1,000~5,000円となります。
いずれにせよ、気持ちを表すことが大切ですので、現金で渡す場合は分相応の金額にしておきましょう。

日本人には馴染みが薄いチップですが、各国でだいたいのチップの相場が決まっていますので事前に調べておくと安心です。
スタッフのサービスや好意に対する感謝の気持ちとなりますので、こちらも分相応の金額を渡すようにしましょう。

海外でチップが必要となるのは、ホテルやレストラン、バー、タクシーなどが考えられます。
アメリカであれば、一般的なレストランでは支払額(税抜)の15~20%がルールとなっており、カウンターバーでも1杯あたり1ドルをバーテンダーに渡します。
タクシーの場合も15~20%ですが、20%を支払うのは大きな荷物をトランクに入れてもらったときなどです。

チップはサービスを受けた後に渡す

高級クラブやゴルフ場など日本でもチップを渡す機会がありますので、不慣れな方は戸惑うこともあるでしょう。
他にも日本旅館や料亭、着付けをしてもらうときにも「祝儀・心付け」といった形で渡す機会があります。

基本的マナーとして、チップやお祝儀はサービスを受けた後に渡します。
男女いる場合は男性から、女性しかいない場合は年長者から渡すのがエチケットです。
正規のサービス以上にお世話になった感謝の気持ちを伝えるためのものなので、サービスを受ける前に「これで取り計らいをお願いします」というのはNGとなります。

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